BLOGスタッフブログ
週末マイファーム2022.06.22
週末マイファーム―梅雨に咲き誇るアジサイの魅力―
梅雨の季節になると待っていたようにあちこちで咲き誇るアジサイは、ガーデニング初心者におすすめの花木の一つです。今回は、とても育てやすくて、梅雨時のお庭を明るくしてくれるアジサイについてご紹介します。
◇アジサイは日本生まれの外国育ち
近頃は色んな新種が登場して、これもアジサイなのかと思うほど華やかなものもありますね。実はアジサイは数少ない日本原産の花なのです。記録に最初に登場したのは奈良時代の万葉集。原種は山野に自生するガクアジサイだそうで、丸い手まり咲きのほとんどは海外で品種改良され日本に逆輸入されたものなのです。
江戸時代後期、ヨーロッパのプラントハンターと呼ばれる人たちが、世界各地で珍しい植物を探しだし、ヨーロッパに持ち帰っていたそうです。ドイツから来た医師シーボルトもその一人。奥さんだったお滝さんの名前をつけて「オタクサ」とヨーロッパに紹介したことで知られています。
戦後になると、お手入れが容易で見た目にも美しいアジサイは、自分たちで育てやすい花として注目を集めるようになります。一方で、アジサイを植えて観光資源にする、いわゆる「アジサイの名所」も各地で誕生しました。
今ではアジサイは、日本をはじめ世界中で品種改良がおこなわれ、2000種類以上の品種が存在しているといわれています。
広島県内で規模が大きく見応えのある名所は広島空港の三景園です。100種のアジサイが1万株以上植えられていて、とても素晴らしいです。ぜひゆっくりと訪れてみてください。
広島空港 三景園アジサイ園
http://www.chuo-shinrin-koen.or.jp/sankei/midokoro1/azisaien/azisaien.html
◇アジサイを育てる注意点は
高温多湿、梅雨真っ盛りの6月に咲くアジサイは、乾燥に弱く、とても多くの水分を必要とします。鉢植えで育てる場合は毎日か、暑い日は一日に二度水やりが必要な場合もあるので注意してあげましょう。アジサイにはお庭の地植えがオススメ。水やりを頻繁にしなくても長く元気に咲き続けてくれます。
そして、アジサイを楽しむいちばんのポイントは剪定です。花が終わったら早いうちに2節目の上で剪定します。アジサイは翌年の花芽が9月頃からつき始めるので、寒くなってから剪定すると、翌年の花を取ってしまうことになります。
アジサイは土が酸性なら青色に、アルカリ性ならピンクに花色が変わることで知られています。すべての品種がそうなるわけではありませんが、用土や肥料を工夫して、花色をコントロールしてみるのも面白いですね。
アジサイは、和風・洋風など、どんな外観のお家にも合いますし、やさしい色合いの大ぶりなお花ですので、とても存在感がありお庭がパッと華やかになりますよ。
◇人気の品種をご紹介
●墨田の花火
清楚な白いガクアジサイは「墨田の花火」という品種。横浜の民家の庭に咲いていたものを少しずつ増やして流通するまでになったそうで、日本でできた歴史のある品種です。中心にうっすらとブルーやピンクの色も入ります。
●アナベル
白くて大きなアジサイ「アナベル」は北アメリカで品種改良されたものです。咲き始めは淡い緑色でピークには純白になり、それを過ぎるとまた薄い緑色になって、そのままにしておくとセピア色になって秋まで楽しむことができる、ユニークで重宝するお花としてとても人気があります。そしてもう一つ有難いのは、アナベルは翌年の花芽がつくのが春ごろと遅いので、うっかり忘れて冬に剪定しても花芽を摘んでしまうことがないことです。
●ダンスパーティー
可愛いドレスを思わせる品種「ダンスパーティー」は、日本に分布するガクアジサイとアメリカの園芸種を掛け合わせて作られた園芸品種です。鉢植えのアジサイが流行してブレイクし、不動の人気を集めています。お庭に地植えするとすぐに根づいてくれて、ほとんど手をかけなくても毎年可愛い姿を見せてくれます。
●エンドレスサマー
すっきりと透き通るような花色と手まり咲きが美しい「エンドレスサマー」。
生育が旺盛で、剪定次第でその名の通り初夏~秋までエンドレスに花をつけることができる、こちらも人気の品種です。
梅雨のこの季節、お庭や名所で皆さんもアジサイを楽しまれてくださいね。